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北九州にお住まいのご高齢のご夫妻様からのご相談です。平尾霊園にお参りにお越しになる度に、霊園前にある当店を見ていらっしゃったそうで、そのことがきっかけでご依頼をいただきました。

 

こちらが施工前のお墓です。昭和4年に博多のお寺様で建てられていたお墓を、平和霊園が開設された後、お引越しされてきたそうです。今回、ご夫妻様に代わって娘様がいろいろとご対応くださったのですが、ご依頼いただいた当初、「父がお墓のことを色々と心配しているので」というお話をいただいていました。

「納骨室内部が気になる」「雑草が生えないようにしたい」「階段の石の目地部分も気になる」ということから始まり、「お墓が古くなってきて気になるところが多くなったので、これを機会に綺麗にしたいと思っています。石材店ならではのアドバイスがあれば教えてください」というご要望をいただきました。

そこで、お墓の現地確認へ行って参りました。

 

このように、階段の目地部分に隙間ができていて、雑草が生えてくることにお悩みでした。北九州市にお住まいということもあり、そんなに頻繁にお墓参りにお越しいただけるわけではないため、「管理しやすいお墓」になることをお望みでした。

 

今回、お父様が一番心配されていたのが「納骨室内部がどうなっているのか」ということでした。現地で確認すると、ご家族では開けることのできない構造の納骨室でした。この納骨室入口部分は、今ではなかなかないデザインです。もう少し開けやすいタイプへ変更をご希望でした。

また、お花立ても、石の筒に直接水を入れるタイプの物でしたので、新しくステンレス製の物に交換することになりました。ステンレス部分を取り外し、そのまま水場で丸洗いすることができますので、清潔ですし、管理や清掃もしやすくなります。 水鉢や香立ての家紋も薄くなって見えなくなってしまったので、家紋を入れ直すことになりました。

このように、様々なご要望を伺った後、施工が始まりました!

 

昭和初期に作られたお墓であることや、機械で加工されたお墓ではないため、従来吊り上げる機械を使用することができませんでした。そのため、丁寧にベルトで締め上げ、壊すことの無いように作業を行いました。職人の腕の見せ所です!

 

昭和初期に作られたお墓ですが、納骨室内部にはコンクリートが流し込まれていて、非常に立派なつくりでした。そのことをお客様へお伝えし、新しく作り直すよりも、大幅なコストカットになるため、内部を綺麗に洗浄し、このまま残すことをご提案いたしました。

 

リフォームが完成しました!

 

お墓と参道の境界部分には草が生えてしまっていましたので、草を取り除き、モルタルを流し込んで綺麗にしました。階段部分は、お客様からご依頼はいただいていませんでしたが、洗浄する機械を持っていっていましたので、綺麗に洗浄しました。石と石の隙間も目地セメントで養生しました。

 

お墓の一番下の台座石(納骨室の天井部分にあたる石)が、古くなっていたため、もともとの自然石から御影石へつくり直しました。 お花立てもクリーニングにし、ステンレスの花筒が取り付けられるよう、穴開け加工をしました。

水鉢、香立てはクリーニングをし、彫刻部分には金箔を施しました。 また、納骨室の蓋石は、今後開け閉めができるよう、御影石でおつくりしました。

 

昔の腕の良い職人さんが手掘りで彫られていた部分を綺麗にクリーニングし、金箔を施しました。

 

今まで法名碑が無い状態でしたので、今回新しくおつくりしました。法名碑の奥にある台は、「はさみを置いたりお花を置いたり、ちょっとした物が置けるような台が欲しいです」という奥様のご要望を取り入れ、おつくりしました。

もともと土だった部分を全て透水性の施工を施し、草が生えないよう、土間舗装をしました。コンクリートでおつくりする場合は水が溜まらないよう水傾斜を考える必要がありますが、土間舗装は非常に優れていて、雨がたくさん降った時にも、透水性で表面に水が溜まることがありません。

 

納骨室は従来のものをそのまま利用することになりましたが、換気することができない設計でした。そこで今回、上台を作り変える際、上台の背面に換気用の空気穴を2つ取り付け、納骨室内部の換気ができる設計にしました。 換気することで、納骨室内部の湿気がたまらず、内部を清潔にお守りすることができます。

 

「ゆっくりお参りしたい」というお気持ちや、「少し柵のような役割を担ってくれたら」ということで、ベンチを設置しました。

完成したお墓をご覧になって「希望をすべて取り入れてもらって嬉しいです」とご主人様にお喜びいただき、奥様には「草が生えないって良いですね!管理がしやすくなりそうです」と奥様にもお喜びいただきました。 また、娘様には「今回、すべて希望を取り入れてくださって、心配していた父が喜んでいる姿を見て、私もホッとしました。ありがとうございました!」とお声掛けいただきました。

半年以上かけて、さまざまなお話やご希望を伺いながら、ご提案や設計、作業を進めさせていただきましたが、お父様がお墓について色々と心配されていることを、とても気にかけていらっしゃる娘様のお気持ちが、打ち合わせの段階からひしひしと伝わりました。あたたかいご家族の雰囲気を感じることが多く、私もとてもあたたかい気持ちになりました。

後日、ご自宅にある仏様を納骨することになっていますので、その時にまたお会いできることを楽しみにしております^^