福岡市博多区の順正寺様にて、古い地下納骨型のお墓を、地上型納骨室のお墓へ建て替え。柔らかい印象の洋風墓、基礎を立ち上げてより安心に。

こんにちは! 福岡県一円で、お墓のお仕事をさせていただいています、平尾石材店の寺田公平です。福岡市博多区の順正寺様にて、お墓の建て替えをさせていただきましたので、ご紹介いたします!

施工前後のようす

 

ご相談いただいた経緯とご要望

北九州市にお住まいのお客様から、ホームページをご覧になってのお問い合わせでした。博多区の順正寺様にお墓をお持ちで、このたび後納骨のご予定があるので、それを機に建て替えをされたいというご相談でした。まずはメールを頂いて、現地でお会いしてお話しすることになりました。

 

こちらがお客様のお墓です。いつ建てられたものかははっきりしませんが、かなり古いようで、100年以上は経っているかなという印象でした。ずいぶん劣化が進んでいます。ただ、きれいにお参りされていて、長い間大切にされてきたことがうかがえます。

 

納骨する際に開けるのはこの場所のようですが、こちらもかなり劣化が進んでいました。最近は地上に納骨室があるタイプのお墓も増えていますが、こちらは古くからのお墓ですので、昔ながらの地下に納骨するタイプのお墓でした。

 

後方はこのように、後ろのお墓との隙間がほとんどありません。新しく建てられるお墓のへのご要望を伺うのと同時に、ご一緒に敷地の境を確認したり、計測したりといった作業も平行して行いました。

お墓へのご要望としては、同じお寺様墓地内にもいくつか見られた、地上型納骨室のお墓をご覧になって、うちもこんなお墓がいいかなというお話しになりました。地上型納骨室のお墓では、観音開きに扉を開いて納骨するので、地下型に比べ納骨がしやすい点はもちろんですが、地下であれば起こりかねない水の浸入も心配ありません。湿気もより溜まりにくく、お墓管理の面から見てもメリットが多いため、最近は地下型の納骨室から地上型の納骨室へリフォームされたり、建て替えのタイミングで地上型を選ばれる方も増えています。

 

地上型納骨室から地上型納骨室に関する記事

●水が溜まっていないか心配される地下納骨型のお墓を、地上型納骨室のお墓へ改修工事。福岡市営平尾霊園にて
●ご先祖様の墓石部分を再加工。正面文字の彫刻直し全面リフォームが完了。市立平尾霊園にて
●墓石の修理とクリーニング、防草工事等のリフォームが完成。博多区萬行寺様にて
●平尾霊園にて既存の墓石を利用したお墓の作り直し(徳山石)と外柵の作り替えリフォームが完成
●地下式納骨室を地上式の観音扉式納骨室へリフォーム。雑草対策で石貼り+透水性土間舗装、お墓のクリーニングと目地入れ等が完了。ベンチも新設、平尾霊園にて
●平尾霊園に、「楽」の字が印象的なフラットでバリアフリーのお墓建て替えが完了。家紋付きの花立ては再加工して活用、石張りのお墓へ

 

今回のお墓のある場所は、街中にあるお寺様の墓地です。お寺様の入り口からここまでではこの道を通り・・・

 

こうしたお墓がところ狭しと建っている中にあります。古いお墓の搬出や、工事のための機材、石材の搬入などには、周りのお墓に気をつけながら、安全に作業を進めていきました。

工事の流れとしては、まずはお寺様にお経を挙げていただき、古いお墓の解体に入ります。ご遺骨の取り出しは、今回はお墓の解体の際に取り出しました。その後基礎工事を経て、新しいお墓を耐震施工で据え付けていき、完成となります。

 

完成しました

完成です!

最近多くなっている、洋型の横型のお墓をご希望でしたので、こういったデザインになりました。ボリュームがあり、堂々とした風格を感じます。

 

周りの土が流れ込んだり、お墓の周りに水が溜まったりしないよう、基礎の部分に高さを持たせました。しっかりと立ち上げていますので、雨が続いたりする季節も安心です。

また、納骨室の左右と後方の3箇所には通気口を設けています。湿気やカビから大切なご遺骨を守ります。通気口はステンレスがむき出しにならないよう、当店オリジナルの石のカバーを付けています。ステンレスをサビから守り、美観も損ないません。

 

棹石です。天面に丸みを持たせた柔らかな印象の棹石にしました。

 

お客様のご希望が洋風のお墓ということでしたので、こうした丸みを帯びたデザインをご提案して採用していただきました。棹石下の上台、花立てなどの細部も、全体的に丸みを持たせて、柔らかな印象に仕上げました。このあたりはすべて5ミリくらいの丸面取りをしています。

 

また今回は、香立て、花立て、上台を完全に一体化した形にしました。接着面には目地を打っています。隙間に水やゴミが入ったりすることがないので、とてもお手入れもしやすくなります。お客様は北九州市にお住まいなので、頻繁にお参りに来られるのはなかなか難しいかと思い、できるだけお手入れのしやすいデザインをご提案して採用いただきました。

香立ての扉の模様は、通常の格子柄ではなく、全体の洋風なイメージに合わせてこんなデザインにしました。

 

一枚石で広々としたお参り部分を設けました。周りが土で囲まれているため、この部分が汚れてしまったりすることはどうしてもあるだろうなと思いました。ですので、汚れがついてもサッとお手入れができ、かつ強度もしっかりとした一枚石で作成することにしました。

 

お客様がお花の彫刻をいれたいとご希望でしたので、今回は納骨室の扉にユリの花の彫刻を入れました。全体にシンプルなデザインのお墓ですが、お墓の彫刻がここに入ることでより華やかに感じられます。

 

工事を終えて・・・

ご納骨の日にお引渡しとなりました。たくさんのご親族の方もお越しになっていて、思っていたより大きくて立派なお墓になりましたね!とお褒めいただけました。お寺の中でもこうした洋風のお墓はまだ珍しいこともあり、ひときわ目立つ立派なお墓でした! これまでのお墓とはずいぶん替わりましたので、お花立てや香炉、納骨室など、いつも通りにお作りした部分にも、今のお墓はとても便利なのね~!と、驚かれていました^^ お参りやお手入れのしやすいお墓になりましたので、今後も大切にお参りいただけるとうれしいです。

今回は、お客様が北九州市にお住まいということで、図面やお見積もりなどはメールでのやり取りをさせていただきました。こうした場合は、特に密に連絡をとって、安心してお任せいただけるように気をつけています。また、お会いできる回数も限られていますので、直接お打ち合わせできるときにはしっかりと詳しくお話しを伺い、お客様の様子や反応から新たなご提案をしたりと、柔軟に対応ができるように努めています。今回のお客様は、初めにお会いしてからお話しを決めていただくまであまり時間がかからなかったのですが、お会いする回数が少なくとも安心してお任せいただけたということは、的確なご提案やご対応の姿勢を評価いただけたのかなと、自信にも励みにもなります! 今後も、お客様に信頼を寄せていただける石材店であり続けたいと思います。