平尾霊園にて、地上型納骨室へのリフォーム工事を行いました

こんにちは! 福岡県一円で、お墓のお仕事をさせていただいています、平尾石材店の寺田公平です。平尾霊園にて、お墓の向きを変えてフラットに入れる、地上型納骨室のお墓へのリフォーム工事を行いましたので、ご紹介いたします!

 

施工前後のようす

平尾霊園 お墓改修工事

 

ご相談いただいた経緯とお墓の状況

お墓についてお悩みをお持ちのお客様がご相談にお越し下さいました。当店のご近所にある床屋さんが、「いいお店だよ」とご紹介くださったそうです^^ ありがとうございます! お話を伺うと、昔ながらの地下型の納骨室のお墓なので、湿気が溜まってジメジメしているから、地上に上げたいと具体的なご希望をお持ちでした。以前に納骨室内をご覧になってから気になっておられたようです。

 

お話を伺ってから、ご一緒に現地へ向かってお墓を確認させていただきました。参道から階段を数段上って墓所に入る、昔から平尾霊園でたくさん建てられてきたタイプのお墓です。植栽もいくつかありますがきちんと整えられていて、きれいにお参りをされていました。

 

階段や前壁部分は、コンクリートブロックで作られています。階段の傾斜もきつく、上り下りは少し大変だったそうで、お参りの際はお墓後方の通路から入ることもあるとおっしゃっていました。ブロックが古くなって劣化や汚れも見られるものの、お参りができないという状況ではありませんでしたが、納骨室をリフォームするこの機会に、ここも作り直そうかと検討されていました。

 

墓石本体です。お墓の真下に納骨室があり、手前の拝石を開けて納骨をするタイプです。昭和38年建立ですので、建てられてから60年近くが経過し、かなり古くなったこともあり、これを機にお墓も新しくしたいとご希望でした。

 

後方です。後ろから見ると、傾斜地に墓所が造成されていることがよく分かります。眺めはとても良いのですが、お墓手前の通路からは数メートルの高さがあります。

 

一方、お墓後方の通路との高低差は、ご覧の通り小さくなっています。平尾霊園には、同様の区画はたくさんあり、近年はこうしたお墓のリフォームの際、お墓の向きを変えてこの後方を入り口とし、段差なくお墓に入れるようにする方法が増えています。外柵を取り外してのリフォームでは、9割近くの方がこの方法でのリフォームをご希望になります。

今回のお客様のお墓は、通路から1mほどの高さがありますが、高さを合わせてフラットに入れるようにしたいご希望でした。墓石の仕様などご希望を詳しく伺って図面を作成、お見積りもあわせてご提案し、工事をお任せいただけることになりました。

 

工事完了です!!

工事が完了しました!

手順としては、まずはご遺骨の取り出しをお手伝いして、お墓の取り外し、外柵や納骨室の解体を進めました。その後、基礎工事、納骨室や外柵の据え付けを行って、耐震施工でお墓を設置、踏み石を敷いて砂利を入れたら完成です。

 

ご希望通りの地上型の納骨室を備えた、シンプルな洋型墓です。今回は、「地上型の納骨室にする」、「骨壺が10個くらいは入る」という具体的なご希望をいただいたので、ご希望通りの納骨室にすることを優先して設計を進めました。その上で、できるだけシンプルでお手入れもしやすく、費用も抑えられるようなお墓にしました。

 

洋風のお墓というと、大きくアールを取ったり、丸っこい形にしたりといったデザインもありますが、とにかくシンプルでスッキリした形にしたいとご希望いただいたので、このような直線を意識したデザインにして、角はわずかに丸面取りをしました。使用した石は、中国のG623という標準的な白御影石です。

 

納骨室です。手前の蓋石を取り外して納骨をします。もっと楽に納骨ができる観音扉式の納骨室もご提案しましたが、こちらのタイプの方が使用する石の量も抑えられることや、一生のうちにそんなに何度も納骨はしないし・・・ということから、こちらの蓋式を選ばれました。納骨などで開けるたびにしっかり目地で水が入らないようにしますし、納骨室自体が地上にありますので、これまでのように水が入ったり、湿気が溜まってご遺骨が濡れてしまったりといった心配はないと思います。

 

後方です。棹石背面には、建立年月と建立者の方のお名前を彫刻しました。印があるのは納骨室の空気口です。左右と後方の3ヵ所設けました。地上にあるので比較的湿気も溜まりにくい状態ですが、さらにここから空気を循環することができるので、より快適な状態を保つことができます。

 

こちらはお墓の後方です。以前は入り口だったところです。御影石の囲いの下は、土留めの化粧ブロックを使用しました。「型枠ブロック」と言って、通常のブロックよりも強度の高いものです。すべて御影石で作るのに比べると、費用面も抑えることができました。

 

入口の踏み石部分です。「すべらないようにしたい」という強いご希望があったので、全面をバーナー仕上げとしました。

 

神社の参道などにも使われている仕上げ方法で、墓石などの磨いたツルツルの面と違ってザラッとしているので、濡れても滑りにくく安全です。写真手前の磨いた面に比べて、少し白っぽく見えているのがバーナー仕上げの部分です。入り口側の石の角は、平面取りをしています。

 

踏み石の横は砂利を入れて仕上げました。多彩な色が入った砂利です。もともとお墓に敷かれていたもので、思い入れがあるので使いたいとご希望があり、水で洗って再利用しました。

 

お墓の右側です。お隣の外柵との間には少し隙間を設けてあります。こちらも角は平面取りをしました。石が欠けにくく、あたりが良い仕上がりです。

 

工事を終えて・・・

今回のお客様は、歩いて来られるくらいご近所にお住まいの方でしたので、工事中もよく見に来てくださっていました。工事が完了して、最終確認をしてからご連絡をしようとしていると、それより先にもうお墓をご覧になっていて、「できとるね!」とお電話をくださいました^^ それだけ完成を楽しみにしてくださっていたのだなあと、とても嬉しかったです。

実は今回、お墓にあった植栽は工事を機に取り除きましたが、別の場所に移してこれからも大切にされるそうです。お参りの際の安全や今後のことを考えてすべて新しく建て替えるとはいっても、植栽を保存したり、砂利を再利用したり、これまでご家族で守ってこられたお墓に対しての思い入れも深いお客様ですので、きっとこれからも新しくなったお墓を大切に末永くお参りいただけると思います。このたびは、当店に工事をお任せいただきまして、ありがとうございました。お店の方にもまた遊びにお越しくださいね^^