福岡市立三日月山霊園にて、お墓の金箔の貼り直しと文字色入れ直し、追加彫刻等

こんにちは! 福岡県一円で、お墓のお仕事をさせていただいています、平尾石材店の寺田公平です。福岡市立三日月山霊園にて、お墓の金箔の貼り直し、文字色入れ直し、目地入れなどをお任せいただきましたので、ご紹介いたします!

 

福岡市東区三日月山霊園 金箔・文字色入れ直し、追加彫刻、石塔目地入れ

 

ご相談の経緯とお墓の状況

ホームページをご覧になったお客様からのご相談です。当店で建立させていただいたお墓ではありませんでしたが、以前お願いしていた石屋さんが分からないため、インターネットで見つけた当店にご連絡をくださいました。ご納骨を控えておられました。

 

区画番号を教えていただいて、東区にある福岡市立三日月山霊園へ向かいました。三日月山霊園は、これまで主に2回分譲されており、こちらは旧区画にありました。文字彫刻に金箔を施した、とても立派なお墓でした。ご連絡をくださった理由としては、ご納骨を控えているものの、「どこから納骨すればいいのか分からない」ということがあったようです。近年の福岡のお墓は、扉式の納骨室のお墓が主流になってきていますが、こちらのお墓は昔ながらの地下式の納骨室でした。こうしたお墓では、お墓の手前に納骨室の蓋石(拝石)があることも多いですが、こちらのお墓はそれにも当てはまりません。確認してみると、水鉢を取り外して納骨するタイプでした。

 

納骨する場所は判明しましたが、お客様はお墓の文字の金箔が取れてきていることも気になっておられました。こちらはお題目を彫刻した棹石の正面です。

 

中央奥にあるのが水鉢で、こちらを取り外すと納骨口があります。その前面に家紋がありますが、こちらもほとんど金箔が取れています。花立や香立の前面も同様です。お客様は、この機会にこの金箔も全体的に貼り直してきれいにしたいとご希望でした。

 

印をした部分、墓誌の額字も取れてしまっています。また、お名前を彫刻した部分も黒色が入っていましたが、取れかけて読み取りづらくなっていました。

 

棹石背面の建立者の方のお名前部分も金箔が取れています。昭和60年、建立から37年が経っています。お墓の金箔は、置かれた環境にもよりますが、だいたい20年前後で劣化が始まるとされています。そのため、20年から30年に1回くらい貼り替えるのがおすすめです。ひと世代に1回貼り替えるようなイメージですね。

 

こちらはお墓の台座部分です。一番下は四ツ石と呼ばれる、四つの石を組み合わせた台座になっていました。今回お客様のご了承を得て事前に納骨室内を確認すると、隙間から水が入ってしまっている形跡が見られました。石と石の継ぎ目の部分は目地を入れて仕上げますが、経年で劣化していて隙間から水が入ってしまったようです。お客様にご報告をすると、色の入れ直しにあわせて、水の侵入を防ぐためにお石塔の目地を入れることもご依頼いただきました。

 

作業完了!

作業が完了しました!!

今回は最終的に、色の入れ直しとお石塔の目地入れ、追加のお名前彫刻をお任せいただきました。無事にご納骨に向けた準備が完了です。

 

お墓正面の文字です。とてもきれいになりました!

お墓の金箔を入れ直す際は、まずはもともと残っていた金箔を、薬品を使用してきれいに取り除きます。そして石の表面を出したら、乾燥させてから金箔を押し直します。作業の際はお墓全体を水洗いするので、いくぶん汚れも取れてきれいになります。

 

水鉢と花立、香立前面も同様に貼り直しました。今回は、現地での貼り直し作業でした。日差しが強かったので、金箔部分が白っぽく見えていますね^^;

 

アップで見ると、このような艶やかな仕上がりです。家紋の細かい部分も丁寧に貼り直しました。

 

墓誌の額字は金箔を、お名前の彫刻部分は黒色を入れ直しました。細かい文字もくっきり見えるようになりました。

 

建立者の方のお名前はもともとは金箔でしたが、今後のメンテナンスを考えて黒色に変更されました。

 

印のように、お石塔部分のみきれいに目地を入れ直しました。防水性のシリコンボンドを使用しています。これで、納骨室内に水が入ってしまうことも防げます。また今回、全体を水洗いしたのである程度の汚れは取れていますが、黒っぽい水垢は取りきれませんでした。墓石専用の薬品などを使用したクリーニングを行うと、かなりしっかり落とすことも可能です。

 

施工を終えて・・・

ご納骨はお客様がご家族でなさるとのことでしたので、今回はお写真のみでご報告する形となりました。仕上がってすぐに、無事にご納骨されたそうです ^^ 水鉢の部分にも目地を打っておかないと水が入ってしまいますので、ご納骨完了のお知らせをいただいてすぐに、目地を入れに再度伺いました。ご納骨にあたっては、ご家族だけでも無事に行えるよう、「水鉢を取り外すのではなく倒すだけの方が安全ですよ」など、お写真を交えて具体的なご説明を差し上げました。

またお客様は当初、砂利の隙間から少し草が生えていることも気にされていました。「工事が必要かな?」とおっしゃっていましたので確認させていただくと、砂利の下のコンクリートはまだしっかりしており、樹木や草木の多い環境で周りから飛んできた植物の種などが砂利の下に溜まったホコリなどに付着して、少しですが草が生えているようでした。いずれにしてもこの状態なら費用をかけた大きな工事は必要なく、お参りの際にご自分で取り除く程度でも大丈夫だと思いますよとお伝えしました。必要な工事をご提案することはもちろんですが、ご希望やお墓の状況に応じて、ご負担が大きくならないようにすることも大切だと考えています。

このたびは当店にご相談いただきまして、ありがとうございました。無事にご納骨いただけたようで、安心しております^^ 今後なにかお困りのことがございましたら、どうぞお気軽にお声かけくださいませ!