既存の外柵を活かした、個性が光るデザインのお墓が完成。地上式納骨室と透水性土間舗装、大野城市牛頸の福岡中央霊園にて

こんにちは! 福岡県一円で、お墓のお仕事をさせていただいています、平尾石材店の寺田公平です。福岡県大野城市牛頸にある福岡中央霊園にて、個性的なデザインのお墓が完成しましたので、ご紹介します!

 

完成したお墓のお写真です

 

ご相談いただいた経緯とご要望

ホームページをご覧になってご相談いただきました。ずいぶん前に取得されていた墓地にお墓を建てようということで、2年ほど前に当店へご相談くださっていました。それから、お客様がお忙しかったりとなかなかタイミングが合わなかったのですが、このたびまたご連絡をくださり、お墓作りを進めることになりました。

 

大野城市牛頚にある福岡中央霊園は、福岡でも歴史が古く、福岡の方にはとてもなじみのある霊園です。とても広い敷地があり、総面積はなんと25万㎡もあります! 自然の山の中に造成されていてとても景色が良く、広い霊園の中央を幅広いメイン通路が通っていて、お車でお墓の近くまで行くこともできますし、お花やお線香を販売している売店や法要施設などの設備も整っていて、お参りのしやすい霊園です。

 

こちらが今回お墓を建てる墓地です。最初にご相談をいただいたときにご一緒に確認を行いました。取得されたときにすでにあった、霊園で既設された囲い部分があり、手前には入り口階段があります。ゆったりとした広さのある墓地です。

 

お隣のお墓との境界はこういった状態になっています。お墓のデザインによっては、「この部分はこういった感じに仕上がりますよ」とご説明をする際に分かりやすいように、写真を撮っておきます。

 

後方はこうなっています。自然風に作られている縁石なので、それに合わせて寸法の調整をしたりすることも必要で、敷地面積の情報だけでは設計がしづらいため、きちんと確認しました。

お客様のご希望は、周りのお墓と同じような形のお墓にすることでした。墓地の周囲のお墓は、お墓は地下式の納骨室でその上に和風・洋風の墓石があり、外柵は既存の縁石の上に新しい石を設けているものが多く見られました。ですが、全く同じような設計やデザインにした場合、お考えのご予算内でのお墓作りが少し難しく、ご予算内でご希望にできる限り近いものをご提案することにしました。

 

何度か図面のやり取りをさせていただいて、3回目にご提案した設計図です。外柵については、味わいある雰囲気の階段など含め、既設のものを活かすかたちで設計しました。また、納骨室は地上式にすることをおすすめしました。納骨室が地上にあることで内部に水が溜まることもなく、ご納骨もしやすいので最近ではこのタイプも増えています。また、土間部分は透水性の土間舗装をご提案しました。玉砂利を敷いて仕上げるものや、一番費用を抑えられるコンクリート仕上げもご提案した中で、見た目もきれいでお手入れのしやすいこの透水性土間舗装を選んでいただけました。

 

印の部分は納骨室です。図面の数字だけではいくつのお骨壷が収められるのか分かりませんが、実際にはこうしてこのくらいのお骨壷を納められます、ということもご説明しました。お墓のデザインは、石をたくさん使用せずに作ることのできるこのデザインをご提案して気に入っていただけました。石をたくさん使うとその分費用がかかってきますので、この提案図の前に見ていただいていたデザインを採用しました。また、石の種類についてはそれほどこだわりはお持ちではなかったので、ご予算の面でも問題なく、品質の面でも安心してご提供できる石材を選んでご提案しました。
 

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完成しました!

基礎工事、お墓の据え付け、土間舗装などを終えて、完成しました!

個性的なデザインで、外柵は既存のものを活かした、柔らかい雰囲気のお墓に仕上がりました。

 

ご提案した地上式の納骨室です。比較的コンパクトに作ったので、高さの関係上、一般的な扉式ではなく立て掛け式の前蓋方式で設計しています。

 

個性的なデザインの石塔正面には、お客様のご希望で「ありがとう」の文字を入れています。昔ながらの形にとらわれない個性的なデザインです。今回はお客様のご事情で石をたくさん使わずに作ることが前提でしたが、その中でもできる限りお客様らしいお墓になるよう、個性の光るデザインにしました。

 

正面の文字彫刻の部分は、大きく丸みを持たせたデザインにしています。今回の石塔はデザイン上、天面が広くなっていますが、こうして丸みをつけているので水が溜まることもありません。また、大きめに額をつけることで、立体感も出ています。従来のお墓のように高さがないので、お参りの際に見下ろすかたちになっても見劣りしない、手の込んだデザインです。限られた石のボリュームの中で、デザイン性のあるお墓に仕上げることができました。

 

花立てです。今回は、石塔の大きなアール面や台石のアール加工など、全体的に丸みのあるデザインにしました。花立ても、こうして角の部分に2重のアールをつけて面取り加工をしています。

 

お線香立て、蝋燭立てです。当社でよく取り入れるデザインのもので、天面は供物台も兼ねています。こちらも全体的に面取りをして丸みを持たせました。印は風などで扉が開かないようにする扉止めです。

 

納骨室の入り口部分です。今回は高さを少し低めに設計したので、なるべく入り口の横幅を広く設計して、納骨がスムーズにできるようにしました。また、中央の前蓋を取り外す際に外しやすいよう、見た目もお墓のイメージと合うデザインのくぼみを両サイドに入れました。

 

お墓の背面です。石塔の後ろや側面に彫刻をすることも可能でしたが、お客様のご希望で、ここに建立年月日と建立者の方のお名前、ご家紋を彫刻しました。納骨室には左右と後方の3箇所に通気口を設けて、内部に湿気が溜まらないようにしています。

 

お墓の手前には、板石の踏み石を3つ配置しました。土間には、自然風の外柵部分とも雰囲気の合う、透水性土間舗装をしました。透水性土間舗装は、雨水などを下へ通すことができる、細かい砂利を固めたような仕上がりの舗装です。今回は特に、前後左右のすべてを既存の外柵を活用したため、全体的な高さはフラットな状態でした。こういった場合、通常のように水傾斜をとることが大変ですが、透水性土間舗装であれば地下に水が浸透していくので、水傾斜を取る必要がありません。また、自然風の外柵には細かい隙間などもありますが、透水性土間舗装はそうした細かな部分にもきれいに施工することができるので、今回のお墓にはとても相性の良い方法でした。

 

お墓作りを終えて・・・

お客様とご一緒に完成確認はできなかったのですが、お墓をご覧になったお客様からは後日、「感激しました!ありがとうございました」とショートメールをいただきました^^ ご希望に沿ったお墓に仕上がっておりましたら何よりうれしいです。ありがとうございました。

今回は、設計や石選びなど、ご予算の範囲内でできる限りご希望に近いお墓になるようにお手伝いをさせていただきました。色々なお客様にお話しを伺っていると、石材店に相談に行った際、ご予算面で最初に断られてしまうケースもあるようです。ただ、お客様それぞれのご事情やご予算があるのはごく自然なことで、いくつかの条件がある中でもご希望にできる限り近いお墓になるようご提案をするのは、お墓の仕事に長く携わっているからこそできることです。これまでに培った知識やノウハウを活かして、ご納得いただけるお墓になるように今後もお手伝いをしていきたいと思います!
 

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